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このあたりの国産材の現状(3)
市の日、定刻になると部屋で入札結果が読み上げられる。しかし、部屋にいる人は疎らだ。多くても10人、少なければ決まった顔ぶれの2.3人という事も少なくない。しかし、買う人がいないのかと言えばそうではなく、ほとんどの材料は買った人の札番が読み上げられて買い落とされてゆく。買う人の大半はその場にはいないという事だ。前もって材を確認して事前入札しているか、もしくは、材料自体は見ずにネットで材種と大きさだけ確認して札を入れているか。おそらく後者が圧倒的に多いのではないかと想像している。人工乾燥して半ば工業製品と同じようにして木材を扱う場合、またスライスしてはり合わせて集成材として使う場合、そもそも木の選別自体に重要性は薄い。柱や梁がかくれてしまう大壁づくりの家では、材の選別に目が向かなくなるのは、ある意味当然の成り行きだ。ただ困るのは、どんな木でも目のつまった木でも粗い目の木でも、30年生の木でも80年生の木でも、市場で区別なく扱われるような傾向がある事だ。良い木は良い木でそれなりの単価で購入するという事が通らなくなれば、山は手間暇かけて木を育てる意欲を無くしてしまう。ここの市に出荷されてくる原木の量が近年少なくなってきつつあるようだが、何十年もかけて育ててきた木が二束三文でしか売れないのなら無理もない。
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