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不揃いの美しさ

妙な技術が発達して、そのものを見ただけでは本物の木かそれとも貼りものかそれともプリントものかわからないものが多い。高度に印刷された木目は、五感をフルに働かさなければプロでもだまされてしまう、それほどだ。しかし時間の流れの中でそれらは必ず万人の前にボロをさらけ出す。だましの技術。そういわれて嫌な顔をするならば、正々堂々と合板は合板の顔をしていればよい。偽りのないぶん、その方がよほどすがすがしい。
最近、無節よりも節のある木が好まれるという話をよく耳にする。このことを幾分都合よく解釈すれば、表面だけを無節の木目で飾ったまがい物はもう要らない、という意思表示のようにも受け取れる。クローンのようにコピーされたものが整然と並んでいる美しさには、ある意味もううんざり、辟易しているのではないか。

雨漏りの修理のために訪れた、戦後間もない頃に建てられたという住宅の瓦。60年以上が経つが、いまだ現役だ。焼き上がりによって色、艶、大きさ、反り具合など、一つとして同じものはない。雨から家を守るという瓦本来の役目からすれば、個体差によって重ね部分に隙間が空くことは技術的には未熟で、欠点であることに疑いはない。しかし、屋根に登ったとたん目の前に広がるその不揃いの美しさに魅せられた。物資乏しい時代にあって何千枚という瓦を手で焼いて作った様子を頭に思い描くと、先人のその意思と労力とに驚嘆させられ、昨今の、安易に表面だけを取り繕った家に対する嫌悪感を今更ながらに再認識すると同時に、自堕落な我が処世にも少し恥じ入りたくなるようなそんな心持ちだ。


DSCF0962.jpg


2件のコメント

[C466] 似ている

瓦の写真を見ながら、コメントしたいのに何かを訴えられているようだがそれが何か分からなかった。
今朝、もうすぐ古稀を思い出し、撮られた1枚1枚の瓦は、自分が積み重ねきた1年1年なのだ、と気づいた。
色も艶も形も・・・、でもどうにか家を守ってきた。先のことを知るよしもないが、人目のないところでも真摯に生きていく、これだけは続けていこう。
いい写真を載せてもらい感謝。
  • 2010-10-03
  • 投稿者 : tatu_no_ko
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  • 編集

[C467] tatu_no_koさん

「人目のないところでも真摯に生きていく」、まさにtatu_no_koさんそのものですね。過去を振り返って少しばかり懐かしくなりました。
  • 2010-10-04
  • 投稿者 : 尼助丸
  • URL
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