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縦かそれとも横か?

 大工です。
 「木は生きていたままの向きで使え」と、よく耳にします。木は、当然地面から空に向かって生えるので、横にして使うのは「?」となります。しかし、柱だけで家は建たないので、横にして土台、桁もしくは梁としても使います。その場合、その中で無理のない方法を選びとることになります。

 写真は10年が経過した檜風呂底部。柾目の赤身、水に強い材料を選んで作ってありましたが、長い間に底面の板の木口から水がしみ込んで腐りはじめています。側面の木も同様です。底面の木は横使い、側面も同じ。

DSCF1597.jpg

 木口からいったん入った水は、横使いの場合、重力によって抜けることは望めない。いったん入ると横に横に走ってゆく。常時湿度の高い場所にある場合は乾くことなく、徐々に腐り始める。

 ステンレス、プラスチックなどの素材がまだない頃、風呂は鋳物の五右衛門風呂。プラスチックの洗面器のかわりは桶。水をためるための桶や樽はもちろん木でできていた。(柾目材を使うのが桶、板目材を使うのが樽、樽には蓋がつく、といった区別があるらしい。)桶と樽、いずれも側板は縦使いで箍(たが)をはめる。底板は側板の中に水も漏らさぬようキツくはめ込まれて木口は表に出ない。側板は縦使いなので水は吸うが、同時に水切れも良い。桶ならひっくり返して乾燥させてやれば簡単に腐ることもない。こうしてみると、桶や樽は非常に理にかなった作り方をしていることがわかる。

DSCF1801.jpg

 思案するのが、外壁に板をはる場合。ここ瀬戸内では昔から焼き杉をよく外壁に用いていますが、それらを見ても、縦使いと横使いの両方があります。
 軒を深く出してやれば横殴りの雨でないかぎり板が直接雨に濡れることはありません。しかし、総二階だったり庇がなかったり、軒の出が浅い場合は悩みます。水に強い材を使えばそう簡単に腐ることはありませんが、やはり、長い歳月のあいだに外壁は下のほうから徐々に傷んできます。横使いの場合、傷んだ板の数枚だけ取り替えれば済みますが、縦使いの場合、途中で切って継ぐことはしたくないので全面取り替えることになり、かなりの負担です。以上の理由から、木の理にかなった使い方は縦だけれども、修理のことも考えると、外壁については今のところ横使いとしています。

DSC_0016_20090216163446.jpg



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