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ナラのテーブル

一人暮らしの方から、テーブルとカウンターの依頼。ナラの椅子が2客あり、それに合わせた形でテーブルを作りました。下部には小物などを入れる引き出し付き。丸太から挽いた板をはぎ合わせて天板は800*1100の大きさ。吸い付き桟を入れてそれに4本脚を絡ませたシンプルな形。大きいテーブルではないけれど、重たい。

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終の作業場(6)布基礎

人力で地盤調査。約100キロの重りを載せた杭を手で回転させながら地中に沈めてゆく。25㎝沈むのに何回まわしたかを4〜5mくらいまで記録してゆく。その回転数から地耐力が算出できる。回転数が多ければ支持力は大きく、少なければ弱い。もともとは田んぼだった場所だと聞いていたのでどれくらいの数字が出るのか不安だったけれど、意外にも50kN/㎡以上の値が出た。18箇所の地点で調べ、自沈層もなく、安定した地盤であることがわかり、ひと安心。地盤が悪いと地盤改良の必要性が生じたり、強固な基礎にするために必要な鉄筋やコンクリートの量も増えてコストも跳ね上がる。ベタ基礎にする必要はないと判断し、布基礎として作業場内は土の地盤のままとする。

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端から端まで約32m。「歩きすぎて背が縮んだ」と基礎屋さん。

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ベタ基礎が主流になり、布基礎はほとんど見かけなくなった。見習い時以来、25年ぶりの布基礎。

終の作業場(5) 予算

材料も機械も必ず増える。材料は使った分だけ補充するサイクルがほぼできている。ここ20年で機械はほぼ揃ったが、まだ増える可能性はある。ストレスなくすぐに使えるようにスペースは余裕を見たい。直角2面カンナ、自動カンナ、バンドソーなどで大きな材を加工する広いスペース、昇降盤、角ノミ機などで比較的小さい材を加工するスペースの二つに分ける。あと古建具や広葉樹をしまっておく倉庫のようなスペースと一部事務所のような空間。必要な広さを計算して横につなげると、ざっと4間*18間の大きさ。広さ72坪。

木造で4間(7.272m)のスパンを柱なしで飛ばすため初めてトラスを使う。トラスには基本的に曲げが発生せず引っ張りと圧縮の力だけなので細い部材でスパンが飛ばせる。木組みとボルトを併用しながら特殊な材を使わず手持ちの材だけでコストパフォーナンスの良いトラスを作りたい。近年木造トラスを使ったいろいろな大空間建築が建っているけれど、工場生産を前提とする集成材と特殊な接合金物を使ったものが多くてあまり参考にならない。戦前の木造トラスが今回作ろうとしているものに最も近いと思われるけれど、現存しているものは少ない。町場には無名の建物がまだいくらか残っているだろうが、それを発見するすべもない。部材の細かい寸法や接合部の要点などは少ない写真や資料から想像するしかない。

スパンを飛ばして広い空間を作ると必然的に壁が少なくなり耐力壁も減る。建物が桁行方向に細長く開口部も広い計画では梁間方向の壁が不足する。筋交いたすきがけで壁倍率4倍と普段の倍の強度にし、かつ建物外部に控え壁を要所要所に設けて対処する。風の強い場所でもあり建物の高さはできるだけ抑えたい。しかし4m材を立てて置けるだけの高さは確保したい。倉庫と休憩スペースとして両サイドを2階建てとする左右対称のプランでほぼ確定。床面積は結局100坪を超えた。

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作業場なので屋根と外壁のみ。床は土間のまま。内装はなしといった仕様で概算見積もり総額税込1200万円。内訳、木材費400万円、大工手間400万円、その他基礎工事、屋根工事などで400万円。木材費の半分200万円は在庫分使用、大工手間の半分200万円分は自身のただ働きとして残り800万円現金が必要。6年前に死んだ父からの相続分500万円と貯蓄から300万円の取り崩し。意外とすんなり決まった計画と比べ、工事の決断にはかなりの日数が必要だった。

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