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四方差し

これも同じ集落内からの依頼。「襖が開かなくなった」。田の字の間取りの真ん中の柱、足元が腐って沈下。床も一緒に下がれば建具は動く。床が下がらないように補強工事がしてあったので、柱の沈下と同時に鴨居だけが下がり、襖が開かなくなったという次第。「もうあと何年生きるかわからんけえ」「この歳じゃ、もうローンも組めん」
床下の足固めの場所で柱はへの字に折れ曲がっている。鴨居付近まで蟻害を確認、断面積の半分はスカスカの状態。差鴨居下で柱の切断を決断。

古屋は例外なしに足固めから傷んで、結果、柱を傷めている。地盤面に近い位置での差物(足固め)はリスクが大きい。
石場建て、足固めを前提とした伝統構法にこだわる理由が、私にはわからない。

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労々交換

数年前に作ってもらった革製の雪駄を愛用している。先だって、鼻緒が切れたので直してもらった。外で材を加工し、中で取り付けるという作業を繰り返す場合、靴は不便なので雪駄は欠かせない。鼻緒のない草履は踏ん張りが利かないので、私の場合はNG。市販の雪駄も数多くあるけれど、これまで満足の行くものには当たったことがない。そもそも普段使いを前提としていないのだろう。数日経つと鼻緒が伸び、そして数ヶ月で千切れる。修理できるように作られていないのでそのままゴミ箱行きとなる。結局、長い間ビーチサンダルをずっと履いていた。少し高いものを選べば、1年間は履けた。ただ、仕事をする格好に見られない難点があった。

皮職人さんとは数年前に知り合い、それから彼らは広島市内にほど近い場所の古民家を買った。以来、そのセルフ改修工事のお手伝いをしている。その代わりに作ってもらったのが皮の雪駄だった。きちんと足型を取ってもらい、修理しながらずっと使い続けることを前提に作ってもらった。金銭には換算しないこうした関係はなんとも言えない安心感をもたらしてくれる。「金の切れ目が縁の切れ目」ではない関係性をどれくらい持っているのだろう。

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