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おばあさんからのSOS

建物探訪の番組を見ていたら、「500万円の尾州檜のカウンター」というセリフが聞こえた。ミシュラン二つ星の寿司屋でメニューはおまかせのみ、値段は不明。最高の素材を用いて最高の料理を目指す。大工の世界でも、同じような世界があるけれど、どこに軸足を置いて仕事をするのかということは腕の良し悪しとはあまり関係がない。薄汚い大衆食堂が安くて美味しい飯を提供する例は枚挙にいとまがない。

ここのところ、床が抜けそうだから直して欲しいという近所からの仕事依頼が何件も続いている。(どういうわけか同じような仕事は続くことが多い。) 依頼者は全員年金暮らしの高齢者、口に出しては言わないが、できるだけ安く済ませたいという気持ちはひしひしと伝わってくる。費用を安く抑えた工事では必要最小限の工事しかできない。それでも最大限の感謝をいただく。身入りは少なくとも、大工をやってて良かったと思う瞬間に出会うことができる。

同じ部落内に住む87歳の一人暮らしのおばあさんの家。床が落ち、タンスが傾いてベットに倒れこみそうになっていたところ、SOSを受けた。まず別のひと部屋を寝室に改造して移ってもらい、床工事に入る。すべての柱の足元が腐って落ちている。最大15㎝。どこまで直すか?床のレベルをどこに設定するか?柱をジャッキアップするか、するならどこまで揚げるか?限られた予算の中で悩むが、できるだけすべての柱をジャッキアップすることに。仏壇などの動かせない家財道具があるので一部屋ずつ、柱一本づつ。既存の柱に新たにもう一本柱を抱かせてボルトで縫う。滑り止めとして接触面に横から丸込栓を打つ。そして渾身の力でジャッキを回す。

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