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藤原辰史:パンデミックを生きる指針ー歴史研究のアプローチ

日々刻々と状況が変わる中、この国の機能不全が様々な形で露呈している。新型コロナウィルスは、日々の生活で精一杯の社会的弱者をさらに追い詰めている。そんな危機的状況の中でこの国家のトップは、自らが出した外出自粛要請に自らが乗っかって、自邸のソファにもたれてお茶をすすり、静かに本を開き、愛犬を愛でる姿を、ネット上にアップ。ネットカフェから追い出され、野宿を余儀なくされるかもしれない自国民の境遇に少しの想いも馳せる能力がないことを、醜くも自らさらけ出した。

そんな中、プリントアウトして、毎朝読み返す文章がある。
  
   藤原辰史:パンデミックを生きる指針ー歴史研究のアプローチ

B面の岩波新書に4月2日付で書かれたもの(A4版で8P)で、静かな反響を呼んでいる。

その中の最後で、武漢の作家、方方の次の言葉

「一つの国が文明国家であるかどうか[の]基準は、 高層ビルが多いとか、クルマが疾走しているとか、武器が進んでいるとか、軍隊が強いとか、科学技術が発達し ているとか、芸術が多彩とか、さらに、派手なイベントができるとか、花火が豪華絢爛とか、おカネの力で世界 を豪遊し、世界中のものを買いあさるとか、決してそうしたことがすべてではない。基準はただ一つしかない、 それは弱者に接する態度である」

を引用し、

「この危機の時代だからこそ、危機の皺寄せがくる人びとのためにどれほどの対策を練ることができるか、という 方方の試金石にはさらなる補足があってもよいだろう。危機の時代は、これまで隠されていた人間の卑しさと日常の危機を顕在化させる。危機以前からコロナウイルスにも匹敵する脅威に、もう嫌になるほどさらされてきた人びとのために、どれほど力を尽くし、パンデミック後も尽くし続ける覚悟があるのか。皆が石を投げる人間に考えもせずに一緒になって石を投げる卑しさを、どこまで抑えることができるのか。これがクリオの判断材料にほかならない。「しっぽ」の切り捨てと責任の押し付けでウイルスを「制圧」したと奢る国家は、パンデミック 後の世界では、もはや恥ずかしさのあまり崩れ落ちていくだろう。」

と結ぶ。

文系研究者として「人間がすがりたくなる希望を冷徹に選別」と書く。文章中、安易な希望は一切登場しないが、私はこれを毎日読み返すことで確実に希望を得ている。
文字どおり今の私の指針となっている。
少しでも多くの人に読んでもらいたい。

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