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鉄の引き手

鉄工所の知り合いに頼んでつくってもらった鉄の引き手。汎用の材料を切って溶接してもらい、雌ネジを切ってもらう。でき上がったものを家の薪ストーブに投げ込んで焼いて黒皮をつける。全て初めての事で試行錯誤です。市販の引き手は数多くあるが、なかなか気に入るものは少ない。大量生産するとなると曲げ加工が主になって、溶接なんてできないからこんな形のものがないのだ、と小さな発見です。木と土の家に無骨な黒い鉄。丸、角、平の三種類です。

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解体終了

下屋4辺のうち、残す1辺。併設する離れと屋根続きになっているが、ここが一番ひどい。ずれた瓦をセメントで固めてあるが、その瓦の隙間の所々から草が生えている。
瓦を下ろして屋根をばらす。土壁を落として雨漏りで腐った桁と柱を全て解体し、離れと構造を切り離し離れ側には仮の柱を建てる。ばらしと片付けが終われば、気分的には7割仕事が終わった感じになる。どう直すかが頭にないとどう壊すのかもわからないのだが、開けてみないとわからない事も多い。作業前に思い描いていた青写真にかかっていた雲が晴れて、視界が一気に開ける瞬間。文字通り下から空が見える。手順が決まってしまえば、ここからは早い。無事四周屋根がつながり、雨漏りの心配はなくなった。瓦屋さんを待つ。

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年が明けて

また一年が終わろうとしている。と、書きはじめて年を越えはや半月。20歳で見習いにきたKも6年目。3年前にO君を呼び寄せて、以降3人体制。この自分が人を雇って仕事をするなど、若い頃は考えもしなかった。独立当時は仕事もなく国民年金の支払いも免除してもらうような状態だった。ひとりなら仕事がなければじっとしておけばいい、したくない仕事を取ってきてまで仕事はしたくない、人を雇えば、不本意な仕事もせざるを得なくなると考えていた。しかしどうだろう。ふたを開けてみると、何と仕合わせな数年間だったろうとしみじみ思う。仕事をまわしつつ、ほぼやりたい形で仕事ができてきたのは、この若いふたりによるところが大きい。「独立して仕事をするつもりがないのなら雇わない」との大前提できてもらってる。その日は遠くないだろう。最近私は機会があれば「新築なんていらない。古家を直せば良い」と発言している。この数年間、古家の壊し、改修については人一倍携わってきたつもりだが、その事は少なからず彼らの今後に影響を及ぼすだろう。

半年以上前から関わっている古屋の改修。雨が漏り、桁も腐っている。瓦を剝がし、土を落とし、杉皮を剥いで垂木を抜いて、腐った桁と柱を交換し、新たに屋根を葺く。下屋のばらしも最終コーナーを回りやっと先が見えてきた。新築中に合間を見ての仕事なので、一気にはできない。少しずつバラしながらつくり、バラしながらつくりの繰り返し。そんな状況を何も言わずに見守ってくれている施主さんをありがたく思う。

古い民家、戦前に建てられた民家はおおらかでてらいがない。空間がどうの、納まりがどうの、仕上げがどうの、そんな詰まらぬ事に拘泥している現在の我々をあざ笑うかのようだ。
新築で疲弊した心を古屋の改修で癒す。
そんな心持ちは私の偽らざるところ。

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