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残る仕事と残らない仕事

「大工さんは自分の仕事が残るからいいね」としばしば言われる。対して、残らない仕事は音楽や料理といったところか。逆に「ぼくらの仕事はあとに残らないからいいんだよ」と酒の席でバイオリニストさんが話してくれて妙に納得したことがある。建築は形として残り、しかも万人の目にさらされることを拒否できない。私事、過去の仕事と対峙して、満足感よりも恥ずかしさが勝ることの方が多いように思う。100%満足のゆく仕事はないし、日々考え方や指向も移ってゆくので、「10年前のお前はこうだった」と有無を言わさず突きつけられるのはそれなりにしんどい。それでも歳を重ねて、やっと我が身のつたなさの変遷をそれなりに客観的に見れるようになってきたように思う。
 およそ20年前見習いの頃作った実家のキッチン。木でキッチンを作る大工仲間の仕事に憧れて作ったもの。杉の無塗装なので結構汚れはひどいが、見た目のくたびれ感以外は特に問題はない。滑りの悪くなったキャスターを新しいものに交換して、引き手を大きいものに取り替えた。父がいなくなって母一人になると、いろいろなことが気にかかるようになり、少しずつ手を入れている。もう父に遠慮する必要はなくなった。

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材料代と手間代

その一
かんなくず(正確にはプレーナーくず....機械で削ったかんなくず)はタダ。本当はお金を出して買った木を削るのだから厳密にはタダではない。しかし結局捨てられる運命なのであればタダだと、とりあえず考えよう。これを一袋30円の袋に詰めてホッチキスで止めるおよそ20袋で1坪。1袋1分で作れば時給2000円として手間代は一袋33円。するとかんなくずの断熱材が原価は、(30+33)×20=1260円/坪。

1 50㎜厚の板状の石油化学製品の断熱材が1枚およそ2100円、一坪だと4200円。
2 100㎜厚のグラスウールが一坪約2000円。
3 かんなくず袋(厚さは50㎜から100㎜程度)の手製断熱材が一坪約1260円。

理論上の断熱性能は1と2はほぼ同じ。3は未知数。施工のしかたで断熱性能は落ちるので、かんなくず袋の断熱性能はかなりばらつきが大きいはず。効果も未知数。厳密な施工は不可能。入れる手間もなかなか大変。

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その二
壁及び天井板の場合。本実目透かし厚さ12ミリの杉板幅140ミリ程度で、例えば6000円/坪。加工済みなのでそのまま現場で釘で止めつけるだけ。
一番安い板材はラス板で約1500円/坪。幅90ミリで厚み12ミリ。プレーナーで片面削って、釘で止めて、継ぎ目にさらに目板を打つ。目板はラス板を半分に割いたもの。材料の加工賃含めて原価は3000円/坪程度か。材が小さく、枚数が増え、さらに目板も打つので貼る手間はおそらく2〜3倍。

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材料代が下がると手間代が増える。(材料代+手間代)が総額で減らないと工事費は減らない。この辺りは発想の転換が必要だろう。例えば材料にカンナをかけない、釘も脳天打ちなど。そんな住み手が増えないかいな。

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