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さしかけ
斜めばり
既存の家を改築する際いつも頭を悩ませるのは、構造補強の問題。いわゆる古民家に耐力壁はほとんどなく、もちろん基礎も無い。現行の建築基準法に照らし合わせれば既存不適格の扱いとなる。このことは必ずしも構造的に劣るという事を意味しないが、やはり必要に応じて構造補強をせざるを得ない。一般的には壁に筋交いを入れたり合板をはって耐力を出す事が多い。しかし、注意しないと、筋交いはかえって軸組を痛めることになったりするし、合板もできる限り使いたくない。その点、耐力は少し劣るが、小幅板の斜め張りの壁は、土壁の耐力の形と似ていて、相性が良い。この後、左官屋さんが黒い防水紙を貼ってモルタル下地のためのラス網をかなりの本数の又釘で止めてゆく。下地が斜めだと調子が狂うらしい、このことには気づかなかった。

