一日一列。三日で三列。これにて終了、。軽く考えていたわけではないけれど、やはり思っていたようには仕上がらなかった。自己採点で60点。簡単な石積みのノウハウ本を読んで取りかかったのだが、不定形の石を組むのがこれほど難しいものだとは思わなかった。加工もせず、ハツリもせず、石をあるがままの積んでゆくだけなのだから、当然と言えば当然の事なのだが。こういう作業を経験すると、辺りの石垣に目が行くようになる。今まで見えてなかったものが見えてくる。先人の技術のすばらしさ。石工の技術はもうほとんど残ってはいないだろう。ひと月程、見習いに行きたい。
蔵と納屋を解体して更地になった土地。先日の岩国豪雨で現場の前の道路は膝まで水に浸かった。降雨量が多く、排水が追いつかないためだ。解体した土をそのまま地盤にして固め、周囲の道路より50センチ程高くする。この50センチが洪水のとき明暗を分ける。蔵の基礎にしてあった石を道路との間の石垣にする。初めての石垣積み。それにしても今年は体力勝負の仕事が多い。秋にはもう一軒、人力解体がまっている。
チルホール、家を引っ張る時に曵き屋さんが使っていたのを思い出した。丸太にワイヤーをかけてチルホールを介して隣接の母屋を支点にして下ろすことに決定。梁同士の仕口を大バールでこねてはずし、少しづつずらしてゆく。併せてチルホールもすこしづつ緩めてゆく。あっけなく作業は終了。期待していた大梁は腐食がすすんでいて中身はスカスカの状態。残念!
思い悩んだ末、蔵の解体を決定した。構造材の腐れ、壁の崩れが想像していた以上にひどく、手直しするにもかなりの金額がかかる。使える材料をきれいに解いて持ち帰ることに注力する事にした。最大の難関は直径50センチ、長さ6mの松の梁、推定重量750キロ。重機が入らない状態でどうやって人力で下ろすか思案のしどころ。まずは手始めに併設の納屋を解体。