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坂を下る
空が見えた
砂埃で
リヤカー
島の解体現場。数百世帯の小さな島、車が通れる道は海岸沿いの1本のみ。その道から幅4尺(約1.2m)程度の路地が何本も延びている。車も重機も入らない古家の解体を請け負った。ひと昔、人力で建てたものだから、人力で解体できるはずである。といっても、家一軒分をゼロにするとなると、家財道具の搬出から始まって、木材、土、瓦と結構な量になる。裏庭で錆び付いていたリヤカーを引っ張り出して、夕食後タイヤを2本とも新しいものに交換。自転車屋に問い合わせると、26-1 3/4のタイヤはもうないとのことで、26-1 3/8とひとまわり幅の狭いタイヤとなってしまった。数百袋の土嚢袋を運び出すのに、階段に足場板でスロープをつくり、リヤカーぎりぎりの幅の坂を下ろしてゆく。一度に運べるのは一輪車はせいぜい土嚢3袋、リヤカーは7〜9袋、ということで大活躍。昔の道具が役に立つもんです。


食器棚
梅雨に入って
事務所改装の2期工事が終わって、春から待ってもらっていた屋根の葺き替え工事の現場。築30年以上たったプレハブ住宅。飛び込みのリフォーム会社から「もう吹き替えた方が良いですよ」と言われたと相談を受けた。はしごをかけて屋根に上ってみると、カラーベストにはコケがはえ、さらに下地の合板もブカブカしていた。どうやらこの家には垂木がなく、母屋の上にコンパネを直張りらしい。日本の木造住宅には構造にはある程度の決まり事があるのだけれど、戦後産まれたプレハブ住宅に、それは通用しない。工事中の雨漏りリスクを最小限にして、さらに構造的にもあと30年持たせたい。いろいろ思案したあげく、カラーベストを剥がして、既存のコンパネの上に3㎝厚の杉板を垂木方向に流して屋根下地とした。下地のコンパネがダメになってもこれなら耐えられると判断した。当日は夕方から雨の予報。いつでもシートが被せられるように準備しておいて工事開始。瓦屋さんと午前中にカラーベストを剝がし、昼食も早々に済ませて、すぐに板を貼り始めた。このために新しく買った9㎝の釘用の鉄砲が活躍、19:30にルーフィングまで終了。次の日からは4日間雨の予報、10m四方のブルーシートで養生して、下地工事は何とか一日で終了。

