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コルクタイルとコーキング

 ひとにものを送ったりお土産を持っていったりする場合、自分が嫌いなものを選ぶということはまずない。仕事でひとの家に関わる場合もそうだ。もちろん、こちらからの一方的な贈り物とは違って、この場合、決定権は施主さんの方にあるのだけれども、私の場合、仕事で使いたくないものというのが決まっていて、施主さんもある程度それがわかっていて仕事を依頼してくれることが大半で、そこのところで価値観が違うお客さんは最初から来ない。とはいっても、なかには地元や知り合い筋からはこちらが大工というだけで、普段どのような仕事をしているのか知らないにもかかわらず、仕事を依頼してくれる方ありがたい方もいる。その場合は、こちら側の仕事のスタンスを具体例を挙げながら、一から説明させてもらう。こちらの仕事の方針と合わなければ仕事は成立しないし、場合によってはせっかく声をかけてもらってもこちらからお断りする場合もある。
 地元でお世話になっている方からのお話。18年前に建てた家、タイルのお風呂が、冬、寒くてつらいとのご相談。農家で、土間から土足でも入れるようになっている。一時は重宝したが、脚を悪くしてからは広いばかりでつかまる手すりもなくおそろしい、とのこと。気密性の高いのユニットバスにという話もあったのだけれども、費用も馬鹿にならず、既存のまだそう古くもない設備を完全に壊してしまうことには抵抗がある。そういえばと思い出したのがコルクタイル。水にぬれても滑りにくく、冬も冷たくないという話を、知り合いの設計士さんから昔きいたことをことを思い出した。興味を覚えながらも、目地はセメントではなくコーキングで処理する必要があるとのことで、採用したことはなかった。隙間に入り込み、固まれば水を通さないその素材はその性能と施行性の良さで、現在、家づくりには欠かせない素材となった。特に、軒の無い、総二階のサイディング外壁の新建材の家はコーキングという材料が無くては成立しない。しかし、そのコーキングの寿命は数年と聞いた。実際のところはわからないが、数年ごとにすべての箇所のコーキングをやり変えるなどできる話ではない。使い捨ての、でき上がったときからゴミと化す家づくりの象徴がコーキングという材料なのではないかとの思いはなかなか払拭できない。
 とは言っても、実際問題、我が身に置き換えてみて、コーキングゼロにはなかなかできない。水回りにはやはりかかせないのだが、前述した思いが頭にこびりついて、自ら施行する回数も少なく、なかなか上達しない。きちんと手順は踏むのだけれど、不要なところにこびり付き、それを拭こうとしてかえって汚くしたりの繰り返し。ますます避けて通りたくなる悪循環。
 使ったことが無い材料の実験台になるのはいつも我が家。風呂の洗い場、既存のタイルの上からコルクタイルを接着剤で貼って、翌日目地のコーキング。手順を教えて息子に依頼。思っていたよりきれいにまとめてくれました。結果、ひやっとしない足触りとソフトな感触が、かみさんには好評。個人的にはタイルや石の方がいいんですけどね。お客さんにも見てもらって、ゴーサイン。夏休みなら息子に手伝ってもらえそう。こんなことじゃ、いつまでたっても上達しませんが。

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人力で

発砲ウレタンなど石油化学系の断熱材を床に敷き詰めるのがいやなので、厚さ45ミリの杉の板を床の下地にしてその上に15ミリ厚の仕上げの床材(檜や杉)をはることにしています。50坪弱の平屋に使う量は約300枚。2t車で3台分。段下までしか車がはいらないので、上まで坂道を二人で運びます。ひとりなら気が折れますが、二人だとやせ我慢競争になり、何とかがんばれます。忘れがちですが、材料を運ぶ、人力で運ぶというのはとても大事なことです。つくるにしても壊すにしても、重機の力を借りずとも何とかなってしまうのが、本来の木造の良いところ。

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着工から3ヶ月、まだまだこれから。
それにしても、あついですね。

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デッキとコーミングの取り付け

曲面に平らなベニヤを、曲線にまっすぐな木材を。いずれもボンドをつけてから銅釘で止めてゆく。接着剤が乾くまで丸一日はクランプのお世話になります。現代の接着剤は本当に強力です。日々の仕事と照らし合わせて、これが木の船かというと、やはり違うのではないかと。グラスファイバーとエポキシ樹脂で固められた船体は土には還らない。

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木小舞

土壁の家が少なくなれば、それに関わる職人も少なくなってくるのは悲しい世の流れ。岩国にもまだ数人土壁の下地となる竹小舞を編む職人さんがいますが、「関東にはもうほとんどいない」とは埼玉の仲間の弁。大工が木で土壁の下地を作るらしいので方法を教わってやってみた。細い材料で本数が必要なので、結構大変な作業ですね。

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骨組

形が見えてきました。

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納屋を寝室に

家は垂直で真四角かと言えばそんな事はない。特に古い家を改修する場合、水平垂直がきちんと出ていることはまずない。曳き家をして水平垂直を直せば良いが、それができない場合もある。新しく床をはるのに斜めにはる訳にもゆかないし、サッシを傾いたまま取り付ける訳にもゆかない。できるだけ違和感のないように、どこでどうやってつじつまを合わせるかという事が、新築にはない難しさ。

「ひと月くらいかかるのですか」と近所の人。
「いえ、年内一杯くらいは十分かかります」
「えっ…」

着工から2ヶ月程度で入居できる昨今の新築住宅事情からすれば、改築に1年間の工期というのは、なかなか理解してもらえないでしょうね。

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