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雨と風と
軒の出を大きくとって、直接雨が外壁にあたらないようにすることをいまだ鉄則にして仕事をしている。外壁に土や木を使い、できるだけ自然の風と光を利用し、エアコンに頼らない家を作ろうと思えば、昔の家作りが一番のお手本となる。しかしこれは新建材の外壁で高気密高断熱を一番に考えた今時の家とは正反対の考え方だ。窓を小さくして熱損失を減らして、人工空調にすれば、窓を開ける事もなく、軒の出も小さくできてコストも下がる。24時間稼働する空調設備を前提にすれば窓を開けて外気を取り入れる必要はないのかもしれないが、そのような家が次世代省エネ住宅としてもてはやされるこのご時世はやはりどこかおかしい。風が気持ちよいこの季節に窓を閉めた車が多いのも同じ理由で違和感を感じる。
島の突端に位置するこの家には軒があまりない。周辺の古い民家もおしなべて軒の出が少ない。1ヶ月ほどかよって理由がわかった。雨が横から降るのだ。風に煽られて屋根が飛ばされる恐れすらある。風返しのためだろう、軒天はアールにして漆喰で仕上げてある。家の主がいなくなった家は劣化が早い。屋根から雨が漏り、一部は軒天の漆喰、土壁下地も無惨に朽ち果てていた。当初の姿に戻せれば良かったのだが、下地から新たにこしらえて下塗り、中塗り、仕上げとなると予算もかかる。施主さんと思案して、檜の板張りにする事にした。窓枠も外壁と面一に揃えて突出部を減らして極力雨をためないように。

島の突端に位置するこの家には軒があまりない。周辺の古い民家もおしなべて軒の出が少ない。1ヶ月ほどかよって理由がわかった。雨が横から降るのだ。風に煽られて屋根が飛ばされる恐れすらある。風返しのためだろう、軒天はアールにして漆喰で仕上げてある。家の主がいなくなった家は劣化が早い。屋根から雨が漏り、一部は軒天の漆喰、土壁下地も無惨に朽ち果てていた。当初の姿に戻せれば良かったのだが、下地から新たにこしらえて下塗り、中塗り、仕上げとなると予算もかかる。施主さんと思案して、檜の板張りにする事にした。窓枠も外壁と面一に揃えて突出部を減らして極力雨をためないように。

鎌継ぎ
新学期
初代カヌー
20代、まだ会社勤めの頃につくったのはカナディアンカヌー、セルフビルドできるように材料が揃えられたキット品。同僚の手を借りてGWに作った。地元錦川での川下りそしてキャンプにとずいぶんと活躍してくれたけれども、もう手元にはない。会社の創立記念日、平日の休みという事で気の合う同僚のH君とZさんとで錦川を下り始めた。たまたま台風が昨日去ったばかりで普段よりも増水していたが、ここ錦川には荒い瀬はほとんどない。勝手知った川という事でビール、酒を買い込んでいつもの通り漕ぎ出した。いくつかの難所を乗り越えてあとは流れに身を任せるだけ。酒がすすむ。旅を満喫していた終盤、「もうすぐ沈下橋やなあ..」高さを目算して一本目は頭をかがめてすれすれクリヤー。そして二本目、橋の表面を水がなめて白くなっている。「H、岸に寄せよう」と言った瞬間、すでに十分酔いが回っていた我々は、事もあろうに橋の手前でバランスを崩して沈。体に感じる水の流れは意外と早い。「H、このままじゃぶつかるな。橋の上に飛び乗るか」と言ったが、なす術もなくそのまま沈下橋に激突。カヌーにつかまったまま橋の下に飲み込まれた。ずいぶんと長く感じたが、川面に頭が出て周囲を見回すとHの頭が見えた。川岸まで泳ぎついたけれどもカヌーはそのまま浮かび上がってこなかった。もう一艘ファルトボートのZさんは橋の手前で無事接岸していた。その一部始終をZさんが写真を撮ってくれていた。後日、もしやと思い錦帯橋に出向いたが橋脚に引っかかったカヌーの姿を見る事は出来ず、これが永遠の別れとなった。もう20年以上も昔の話。無茶してましたね。

