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なんとかかんとか

「隅棟やのし瓦を積むときには土だけでは力がないので石灰を混ぜろ」との指摘。再度崩して積み直し。
ひとつの作業に傾注すると全体が見えなくなるということがしばしば起きる。取り付け位置の間違いや、ちょっとした寸法ずれ、ゆがみなどは、休憩の時間にお茶を飲みながら少し離れた場所から眺めてみてはじめて気がつく。少し距離をとり、いろんな角度から見るという事は大事なこと。下で土を練る者が上で葺く者に「そこから3つ目がちょっと高い」とか「通りが悪い」とかあれこれ注文を付けながらなんとかかたちにはなった。やはり、端で見てるのとやってみるのとでは大違い。施主さんを含めて4人の瓦作業、多くの失敗を経て何らかの教訓と少しばかりのノウハウを得て、仲間と作業する事の楽しさを再確認した。施主さんにも少なからずそう感じてもらえていたらよいのですが。

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やってはみたものの

瓦1枚の寸法をはかって、タテに墨を打ち、それにそって瓦を並べてゆく。順調順調と思いきや、3段目に移った頃、「あれ、合わない。」瓦同士がせってうまく噛み合ない箇所が何カ所も出てくる。古い既存部分の葺き幅を確認すると10枚で9尺1寸、したがって1枚あたり9寸1分。最初1枚あたりの葺き幅を8寸7分で設定していたのだから1枚あたり4分(12ミリ)も違う。これくらい遊びをとらないといけなかったわけだ。あえなく一時撤退して最初からやり直し。後日瓦屋さんが心配して見に来てくれて、「昔の瓦は大きさやねじれが一定じゃないから、まず最初に瓦を葺く前に1枚1枚見て振り分けないといけない」と教えてくれた。言われてみれば至極当然の事、自分だって木は1本1本選別して使っているのだから。瓦屋さんの親方曰く、「今の瓦はJIS規格で大きさがほとんど一定。いまはもう若い者で古い瓦を土で葺ける者はおらんやろ。」生の木を扱わなくなってきた大工の世界と同じ構図だ。
プロからいろいろと指摘は受けたものの、我らにわか屋根屋にはそんな技術があるはずもなく、ある一定の線で妥協せざるを得ない。自らの無知と「何とかなるやろ」という根拠のない自信と傲慢さに恥じ入りたくなる。しかし、ここまできて投げ出すわけにはゆかない。

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若かりし頃の夢を

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とにかくやってみる

小さな島の改修工事。崩れた屋根の補修を、屋根屋さんにたよらず施主さん自らやるとのことでの助太刀。ルーフィングの上から滑り止めの桟木を打って、練った土を置いてその上になじませるように瓦を葺いてゆく。スリスリと力を加えてゆくとじわじわとなじんでゆく感じが、何とも心地よい。「俺にもやらせろ」という感じで、あっという間に2階の補修は午前中で終了。「これなら下屋も自分たちでやってみるか」と男4人、調子づいてしまいました。瓦屋さん、ゴメンナサイ。土は面白い。

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土、その後

一週間が経って、ほぼ乾いた状態。ワレルワレル。1センチくらいの厚みで塗ったものだから、当然と言えば当然か。この上の上塗りをかければ割れは消えるだろうけれども、おそらく当分この状態でしょうね。

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左官のまねごと

今でこそ瓦は桟瓦になり、屋根に土をのせることはなくなったけれども、昔は土葺きだった。瓦は焼く過程で1割程度寸法が縮むわけで、焼き上がった瓦1枚1枚が寸法・かたち共に微妙に異なるために、土でなじませることで葺きあげていったのだと理解している。現在その必要がなくなったということは、瓦の寸法をほぼ一定に仕上げる技術ができたということだ。古い屋根を解体修理するとそこからは大量の土が出る。よくぞ人力でこれだけの量の土をやねにあげたものだと感心する。古い瓦と一緒に処分場行きだが、土嚢袋20袋分くらいはとっておいて持って帰った。水を加えて家の外壁のモルタルの上から塗ってみた。すぱっと切ってコンコンと叩いて納めるのが普段の仕事。ぐちゅぐちゅ混ぜてペタペタ塗るような仕事は未経験の世界。泥遊び感覚で一日土と戯れた。

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杉の外壁

家というのはいろんなものの集合体で、大工だけで一軒の家が建つ訳ではない。しかし、いろんな箇所を「できるだけ木でできないか」という欲求は常にある。最近の家の外壁はほとんどが無機質のサイディングになっているが、木の外壁も見直してほしい。木は水にぬれても、乾くことができればそう簡単に腐るものではない。深い軒と板壁の外観はやはり何より美しいと思う。倉の外壁の修理、下から上まで4mの杉板をタテ張り。本当はもう少し軒の出が欲しいところですね。

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