木製の観音開きの門がこわれたので新しくつくってほしいと依頼を受けた。片持ちのそれは構造上自重でたれやすく、長持ちさせることはなかなか難しい。手っ取り早いのはアルミ製の門だが、木の家には到底そぐわない。
一般住宅の門それ自体に侵入者を防ぐ役割があるかと言えば疑わしい。他に経路はいくらでもあるからだ。だとすれば、「ここから先は立ち入らないでください」という意思表示ができればそれでいい。そう説明をして、簡単な柵を作った。高さ80センチ、幅150センチの大きさ。重量の軽い杉でつくれば女性一人でも簡単に動かせる。金物を使わず木を組んで、赤身で作れば風雨にさらされても永く保つだろう。
田んぼを駆け回るシシを見て、ケビンコスナー主演の映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』を思い出した。大平原の中を駆け回るタタンカ(バッファロー)の狩りをする場面。
子供達と一緒になってしばらくのんきに眺めていたが、田んぼや畑を荒らすシシは農家にとってはなかなか厄介な存在だ。人の付き合いと同じで、互いに適度な距離を保つのはなかなか難しい。
コタツの天板。既存のものが傷んだのでつくってほしいと依頼を受けた。1500*900の大きさ。今まで使われていた市販のものは合板で、おそらく中空になっていて軽くできている。掛け布団を外して掃除をするためには天板は主婦一人の手で持ち運びできることが、必要とされる重要な条件なのだろう。しかし数年間使われた後のその姿はやはり無惨なもの。年数に耐えない。しかるに依頼を受けたのであれば思案のしどころだ。我が家も同じくらいのサイズのものをつくって使っているが、重たすぎて連れ合いからは不評だ。すべらすように天板だけおろしてなんとか掃除をしている。思案の末、持ち合わせの板の中からホオの木の板を引っ張りだしてきて3枚をはぎ合わせた。現場仕事を終えてから、家の作業場で作業をしようと思うが、急に気温が下がった昨今、酒を燗して飲んでしまうとはやくも気が折れる。早々に布団に潜り込み、翌朝、朝刊が届く前に起き出して、カンナがけで一汗かいた。
午前7時、家の前にイノシシ出現。
道路に2匹、数分間の休憩の後、刈り入れ後の田んぼで運動会。
終了後、山に戻る。