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電車通勤

 滅多にない電車通勤をしている。釘袋など、最小限の道具と弁当と水筒をザックにつめて片道約1時間の旅程。読みたい本を片手に都会へ向かうその時間も、それはそれで楽しめる。収まりきれずにザックから飛び出したノコの柄をみて周りの人はなんと思うだろうかと思ってみたりもするが、周囲はこちらが気にする程こちらのことはみていない様子。当然。他人のことなどいちいちかまっていられるものか。そう察して、汚れた身なりでも周囲の目は意に介さないことにする。
 駅まで車で迎えにきてもらい、「ただいま」と後部座席に乗り込んだら、連れ合いと子供双方から、「くさい」と言われた。汗くさいのは当然だろうが、どうやらそうではなく、その日剥がした床板のベニヤの匂いが服に染み付いていたらしい。古い借家を適当に改造しながら住んでいる我が家の住人にとって、ベニヤの匂いは汗の匂いより異質で我慢ならないものらしい。汗くさいよりもベニヤくさいほうが気になるという家人の感覚に、正直ほっとした。

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下駄箱

玄関の改装にあわせて下駄箱をつくる。
杉の幅広板と松の鏡板。
できあがりを想像しながら材料を選ぶ。
加工、組み立て、そして完成。
トラックに積んで納品。

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郵便受け

カタログがそのまま入る大きさの郵便受けをとの依頼。
端材と丸太から剥いだ杉皮で。

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失敗に学ぶ

 材料を並べて墨をつけたり加工したりする台を「ウマ」と呼ぶ。大きな梁や柱が十本以上並ぶ大きなものから、現場で小物を加工する際につかう長さ40センチ程度のものまで、その大きさはいろいろだ。大きな角材を加工する際に使うウマの高さは1尺2寸(36センチ)に統一している。4寸角(12センチ角)の柱をその上に並べると1尺6寸(48センチ)程度になり、その上に座ってノミと玄翁を使うに都合の良い高さになる。しかし、使う材料の大きさは一定ではなく、それより大きい場合はその上に乗っかってという状況もしばしば起こるが、これはしょうがない。

 記憶が定かではないが、おそらく10年前に作ったヒノキのウマ。3.5寸角(10.5センチ角)の角材にほぞを付けて作っている。野ざらしで風雨に打たれて脚のほぞ部分が腐っている。だましだまし使っていたがついに用を為さなくなってしまった。雨にさらした事が腐った原因である事は間違いないが、もう一つは、作る際あと少しの加工手間をかけなかった事。10.5センチの角材に6センチほどのほぞをつけた際に穴を下まで貫通させずに途中で止めたため穴に水を溜めてしまった。ひとたびたまった水は抜ける事なく穴にとどまる。ひと手間をはしょったことが原因だ。

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 常時濡れた状態の木は腐る。木は水に打たれても再び乾けば腐らない。誤解を承知で言えば、家は雨漏りを100%ゼロにする事はなかなか難しい。それを防ぐためにシートやテープなどで密閉して外部から身を守ろうとしてしまいがちだ。それでうまく防御できれば良いが、もしその層をくぐり抜けて水がいったん中に入ってしまうと今度は外に抜けない。外に抜けない湿気は木を腐らせる一因になる。 木で家をつくる場合、どうやって水から守るかは、長持ちさせるための重要な課題だ。しかしある程度濡れる事はしょうがない。濡れてもそれをいかに早く逃がしてやるかのほうが大事だ。逆説的だが、その事を再認識させてくれた失敗だった。

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