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接着剤とのたたかい

大工です。

新しくはじまった築約80年の民家の改修工事。30年ほど前に一部増築されている。
全面改装、間取り改造のため、まずは増築部内部の壊しから。建具を外して天井,壁等を解体してゆく。その際一番困るのが接着剤の存在。腰に釘袋、玄翁とバールで板を1枚ずつ剥がしてゆくのだが、表面だけめくれたり、途中で折れたりと一筋縄では行かない。気をつけないと壊したくない部分まで一緒にくっついて来て壊してしまうことになる。それらのほとんどはベニヤなり○○ボードと言ったたぐいのいわゆる新建材というもので、接着剤を使うことが前提となっている。現在一般的になったフローリングも例外ではない。しかも施工時に床鳴りを恐れてネダボンドという、さらに強力な接着剤を用いている様子。こうなるともうそれだけ解くということは不可能で、下地も一緒に壊すしかなくなる。

接着剤で固められたもの、くっつけられたものはそれだけを取り外すことはできない。くっついている相手(大事な柱だった梁だったり、まだ使えるもの)までも一蓮托生でみんなだめにしてしまう。接着剤を使って家をつくるということは、壊す時のことを考えていない、もしくは修理して住み続けることを考えていないということに等しい。

それと比較して、増築部ではない建築当初の部分。それなりに材料は傷んではいるが、木組みと少しの釘でつくられていているため、解体修理は易しい。こう考えると、高度成長期以降の新建材の家は、まさに使い捨てという名にふさわしい。

修理するときのこと、解体する時のことを考えて仕事することを第一に考えて「接着剤は極力使わない」と、改めて肝に銘じました。

DSCF5252.jpg


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