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階段の柵をつくる
春爛漫
材木の皮むき
大工です。
冬の間に買い込んだ丸太は製材した後桟積み乾燥します。その前に必ずやらねばならないのが、皮むき。刃渡り15センチほどのピーラーのお化けのような道具、もしくは鎌などで、ひたすら剥きます。手先では引ききれません。腰を使って全身で。汗だくになります。

製材の際、皮のついた部分まで挽き落としてしまえば、皮むきの手間はなくなりますが、歩留まりが悪くなります。できるだけ丸ごと有効に使いたい。

この手間を省くと、ほぼ例外なくキクイ虫にやられます。今時分から皮に卵を産みつけて、幼虫がかえると皮や木を食い荒らします。ちょうど皮と木の境目の部分。そこだけですまなくて、白太の部分に穴をあけてしまうからたちが悪い。一年前皮むきをさぼった木はみごとにやられてこのとおり。

それにしても、最近体力の衰えを感じます。
冬の間に買い込んだ丸太は製材した後桟積み乾燥します。その前に必ずやらねばならないのが、皮むき。刃渡り15センチほどのピーラーのお化けのような道具、もしくは鎌などで、ひたすら剥きます。手先では引ききれません。腰を使って全身で。汗だくになります。

製材の際、皮のついた部分まで挽き落としてしまえば、皮むきの手間はなくなりますが、歩留まりが悪くなります。できるだけ丸ごと有効に使いたい。

この手間を省くと、ほぼ例外なくキクイ虫にやられます。今時分から皮に卵を産みつけて、幼虫がかえると皮や木を食い荒らします。ちょうど皮と木の境目の部分。そこだけですまなくて、白太の部分に穴をあけてしまうからたちが悪い。一年前皮むきをさぼった木はみごとにやられてこのとおり。

それにしても、最近体力の衰えを感じます。

板をけずる
今日は作業場で板削りのお手伝い。
100枚ばかりの杉板を、自動鉋盤という機械に通して厚みをそろえる作業です。

桟積みして自然乾燥させていた杉板を一枚毎機械に通します。
裏表で、約200回ほど。厚み15ミリにそろえて床の下地に使います。

連れ合いが機械に入れた板、出てきたところを私が受け取ります。重さはそうでもないのですが、長さは4mあり、持ち運びするのもなかなか大変です。たまにスイバリ(木のとげ)も指に刺さったり。「力やない、コツや」と私に言いますが、そういうダンナも結構ばてているみたい。

作業自体は午前中で終わり、家に帰れると思ったら、
「現場に運ぶで」
「................。 きいてないで!」

100枚ばかりの杉板を、自動鉋盤という機械に通して厚みをそろえる作業です。

桟積みして自然乾燥させていた杉板を一枚毎機械に通します。
裏表で、約200回ほど。厚み15ミリにそろえて床の下地に使います。

連れ合いが機械に入れた板、出てきたところを私が受け取ります。重さはそうでもないのですが、長さは4mあり、持ち運びするのもなかなか大変です。たまにスイバリ(木のとげ)も指に刺さったり。「力やない、コツや」と私に言いますが、そういうダンナも結構ばてているみたい。

作業自体は午前中で終わり、家に帰れると思ったら、
「現場に運ぶで」
「................。 きいてないで!」

かつおのたたき
うんてい
大工です。
我が家は棚田の一角にあります。集落内では下の方に位置しているので、自然と子供たちの集合場所になります。
下の坊主に「うんていをつくって」とせがまれました。一年生になって初めてうんていで遊んで楽しかったらしい。大工である父親は頼めば何でもつくれるものと思っている。「そんな簡単にできるか!」と言いながら、あきらめるのも癪なのでいろいろと思案する。子供たちはほとんど思いつきで言葉を発する。それにのせられて気合いをいれていろいろつくっても、数日たてば子供たちの目にすら入らなくなる寂しい思いを今まで数多く経験。最小限の手間で良い反応を見たい。
しばし辺りを見回して、
「これこれ。」

現場で使うアルミ製のはしごを小屋と木の間に架け渡して長さ4mのうんていのできあがり。
こんなものでも子供たちは半日近くキャーキャー言いながら遊んでいました。すぐそっぽを向かれることになるのですが、子供たちが遊んでいるときの屈託のない笑顔を見ていると、また何かつくってやろうという気になります。誰かしら「お金にならない仕事が一番面白い」と言っていましたが、そのとおりです。なりわいとして大工をやっている以上、日々葛藤があります。

我が家は棚田の一角にあります。集落内では下の方に位置しているので、自然と子供たちの集合場所になります。
下の坊主に「うんていをつくって」とせがまれました。一年生になって初めてうんていで遊んで楽しかったらしい。大工である父親は頼めば何でもつくれるものと思っている。「そんな簡単にできるか!」と言いながら、あきらめるのも癪なのでいろいろと思案する。子供たちはほとんど思いつきで言葉を発する。それにのせられて気合いをいれていろいろつくっても、数日たてば子供たちの目にすら入らなくなる寂しい思いを今まで数多く経験。最小限の手間で良い反応を見たい。
しばし辺りを見回して、
「これこれ。」

現場で使うアルミ製のはしごを小屋と木の間に架け渡して長さ4mのうんていのできあがり。
こんなものでも子供たちは半日近くキャーキャー言いながら遊んでいました。すぐそっぽを向かれることになるのですが、子供たちが遊んでいるときの屈託のない笑顔を見ていると、また何かつくってやろうという気になります。誰かしら「お金にならない仕事が一番面白い」と言っていましたが、そのとおりです。なりわいとして大工をやっている以上、日々葛藤があります。

包丁掛け
大工です。
気が向けば台所にも立ちます。しばし仕事のことを忘れる時間です。前の壁に杉の包丁掛けを付けています。合計8本。たいそうなごちそうをつくる訳ではないのだが、知らぬ間に増えてこの状態。いつでも手に取れる、目に入る位置にあると、台所に立つハードルが低くなります。

どれも、違う鍛冶屋がつくったもので微妙に形も違います。たまに地方に行って町中で鍛冶屋を見つけると、ふらふらと吸い込まれます。鑿や鉋といった大工道具をつくっているところはほとんどありません。店にあるものは鎌や鍬などの農器具が主です。そこでつい「ひとつ包丁でも」となるわけです。それらも大概は年老いたじい様がひとりでやっている様子で、風前の灯の風情。しばし世間話をしながら「まだまだやってくださいね」とエールを送ります。しかし、それぞれの地に根ざした野鍛冶たちはそう遠くないうちに絶滅するでしょう。「今度行ったらもう店は閉まってるかな」と寂しい想像をしながら、包丁を握ります。

気が向けば台所にも立ちます。しばし仕事のことを忘れる時間です。前の壁に杉の包丁掛けを付けています。合計8本。たいそうなごちそうをつくる訳ではないのだが、知らぬ間に増えてこの状態。いつでも手に取れる、目に入る位置にあると、台所に立つハードルが低くなります。

どれも、違う鍛冶屋がつくったもので微妙に形も違います。たまに地方に行って町中で鍛冶屋を見つけると、ふらふらと吸い込まれます。鑿や鉋といった大工道具をつくっているところはほとんどありません。店にあるものは鎌や鍬などの農器具が主です。そこでつい「ひとつ包丁でも」となるわけです。それらも大概は年老いたじい様がひとりでやっている様子で、風前の灯の風情。しばし世間話をしながら「まだまだやってくださいね」とエールを送ります。しかし、それぞれの地に根ざした野鍛冶たちはそう遠くないうちに絶滅するでしょう。「今度行ったらもう店は閉まってるかな」と寂しい想像をしながら、包丁を握ります。
