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漆喰塗り

最近はめっきり左官屋さんの仕事が少なくなっているようです。
建物の内部仕上げはビニルクロスがほとんどですし、外壁もサイディングといって工場で作られたものを金物で留めていくだけ、といった感じです。

内部外部とも漆喰壁と板壁で仕上げます。今回の漆喰塗りの場合、下地塗り、中塗り、仕上げ塗り、と3工程あります。それぞれ、塗っては乾かしを繰り返すので、仕上がるまでひと月はかかります。乾きが悪いと、後々ひび割れなどの問題が起きやすくなるため、乾燥させる期間も大切です。短い工期をうたうハウスメーカーでは敬遠されるのも無理ありません。

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しかし、人の手によって塗られた壁には何ともいえない表情、味があり、あたたかみを感じます。
調湿作用という面からも、また、土に還る素材という面からも優れています。

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沢山いた左官屋さんもめっきり減ってしまい、高齢化が進んでいます。大工の後継者不足も叫ばれていますが、左官屋さんのそれは、もっと深刻なようです。永い間続いてきた、こういった当たり前の家づくりも、今後難しくなってゆくだろうことは間違いありません。
悲しいですね。


杉の製材

ふと気になって、世界の主な国の国土に対する森林の割合を調べてみました。
統計資料としては少し古いのですが。

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日本が群を抜いてい高いことに驚きます。
日本が67%、つづいてフィンランド66%、スウェーデン59%と北欧の国々。
熱帯地方のブラジル65%、インドネシア61%、マレーシア47%。
イメージとして森の多そうなロシアは37%、カナダは27%、アメリカ合衆国は23%しかなく、
ヨーロッパの国々、ドイツ30%、イタリア22%、イギリスにいたっては10%しかありません。

こうして見ると、ここ日本で、木で家を建てることは必然のことのように思います。


柱や梁、その他いろんなところに、杉を好んで使います。写真は購入した杉の丸太です。直径はおよそ27センチから40センチくらいまで。錦川の上流にある原木市場で買ったものです。樹齢はおよそ70から80年生くらい。

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一本一本木を見て、製材所の製材士さんと話をしながら、どのように挽くか検討します。

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写真は板材を挽いている様子。
挽きたての木はまだみずみずしく、鮮度の良い刺身のように、美しい。

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結局、板材と柱を取ることにしました。

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この後、作業場に持ちかえり、皮を剥いて、桟積み。
およそ1年は自然乾燥させて、反りや狂いを出します。

天井板

普段の仕事では、天井板ははらずに小屋裏をそのまま見せることが多いです。
構造がそのまま目に見えることは住む人の安心にもつながりますし、
メンテナンスする際も有利です。
結果、家を長持ちさせることにもつながります。

今回は、古梁は見せて、屋根面にあわせて斜めに杉板をはります。
梁の形に一枚一枚合わせながら、下から上へとはり上がってゆきます。
写真はちょうど棟(一番高いところ)の部分です。
垂木の間に鉋屑をつめた断熱材が見えます。

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古い梁は長年の汚れを拭き取ってやり、油を塗ってやります。
今回使ったのは荏油(えあぶら)に茶色の顔料を混ぜたもの。
ペンキとは違って木部にしみ込み、木目も浮き立たせます。
乾くと、生き返ったようにみずみずしくなります。

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新築の家とはまた異なる美しさがあります。
新しい天井板と古い梁がコントラストになっていますが、
年数が立つに連れて、お互い寄り添うように馴染んでくるでしょう。




布団干し

二階に布団干しを作りました。窓から出して、布団を引っ掛けておく場所です。掛けやすいように窓枠から20センチほど突き出しています。

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手前のがおよそ3メートル、奥のがおよそ2メートル。
材料は檜。

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重さに耐えられるよう、柱にホゾ穴を掘り、込み栓で留めます。
人が座っても大丈夫。
長持ちしますように。

足固めの補修

今度は別の箇所、足固めの補修です。昔の家は柱が直接石の上に建っているものが多いのですが、その場合に柱同士を動かないように床下でがっちりとつないでいるのが足固めという部材です。現在の木造住宅ではほとんど見られなくなりました。

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この足固め、材料は地松です。ここ大島でも昔は松が豊富にあったようです。丸太を半分に割って四角く製材して使っていました。

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でもご覧の通り、シロアリにかなりやられています。
虫害部分を切り取って新たな材料でつなぎ合わせます.

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必要最小限ですが、必要箇所には金物ボルトも使います。
継ぎ手部分に2本、上から下に絞め込むため使っています。

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新築と違って手間のかかる部分ですが、先人の仕事を追体験することでもあり、面白くもあるようです。

柱の根継ぎ

築後100年も経つと、やはり構造材もそれなりに傷みます。
水分による腐りやシロアリによる被害などが主なものです。
柱や梁、一本一本状況を見ながら、補修が必要な箇所は手を加えます。
写真は柱の補修です。雨漏りとシロアリによって、足固めとの接合部がひどく傷んでいました。
下から70センチほどを切り取って新たな部材を継ぎ足します。
作業の間、ジャッキで持ち上げておきます。

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ジャッキには数トンの重さがかかります。他の箇所に影響が及ばないように手早く作業します。

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既存の柱は栂(つが)でしたが、現在国産のものはほとんど手に入らないため、檜を使いました。
再度足固めもつないで、午後には作業終了です。


断熱材

古い家は隙間だらけ。だから風通しもよく、家も長持ちするのかもしれません。しかし、改築にあたっては、出来るだけ住環境も改善させます。当然新たに断熱材も入れることになります。
住宅では使用する断熱材はグラスウールが安価で一般的です。細ーいガラス繊維を綿状にしたものが袋に入っています。ですが、工事の際に袋を切ったりする必要があり、中のガラス繊維が飛び散り、空気中を舞います。「体に付くとちくちくするし、体に吸い込んでいるかと思うと使いたくない」とダンナは言います。

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柱や梁を加工したときに出る鉋屑です。今回はこれを袋の中に入れ、屋根用の断熱材として使用します。加工中に出た鉋屑をせっせと袋につめます。

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作業場の一角に保管しておきます。今回使用するのは約900袋。
暇を見てはこうして内職します。

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屋根と天井板の間につめてゆきます。
袋によって、檜の香り、杉の香り、松の香り等、いろいろ。

何個かはカバーを付けて、うちの枕となりました。

この家に筋交いはありません。筋交いというのは、柱と桁の間に入れる斜めの部材です。
地震や風に抵抗し、家の強度を保持するためのものです。筋交いを使わない場合は、一般的に壁に合板を貼って強度を出します。

昔の伝統的建築に筋交いはほとんど使われていませんし、もちろん合板も近代の産物。

貫というのは柱を貫いて通っている横の部材。今回の貫は厚さ28ミリ、幅120ミリのものです。家の横揺れに対して筋交いに代わって抵抗します。
構造の考え方もいろいろあるようですが、現在主流の筋交いや合板の家は剛構造、昔の貫や差し鴨居の家は柔構造といったところでしょうか。

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アルミサッシを取り付けて、外壁に防水シートを貼ります。

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だいぶ家らしくなってきました。



土壁の補修

この家は建築当初から土壁です。厚さは8センチ程度あるでしょうか。改築にあたっては、補修が必要な箇所に竹で下地を作り、土を塗ってゆきます。使うのは解体時に出た壁土。水を加えて練り直し、敷地内にひと区画穴を掘って数ヶ月寝かせておいたものを使用します。この間に再度発酵が進み、粘りが出て強度が上がるそうです。

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当初、赤茶色だった土も、発酵が進んでグレーがかった色になっています。

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もちろん、本来は左官屋さんの仕事なのですが、今回は下地のみということで、大工が塗りました。

水を含んだ土は、何と重い。

職方さんの仕事を体で体験する良い機会だったようです。

瓦工事

中国地方では石州瓦が一般的ですが、今回は、三州のいぶし瓦を使います。
通常、瓦は軒先から上へ上へと葺いてゆきますが、今回は途中からです。
一文字葺きという葺き方で、軒先の施工に大変手間がかかるためです。

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こうして、サンダーで一枚一枚削って、擦り合わせという作業を行います。

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一日で進むのは10メートルほど。根気のいる作業です。

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約ひと月に及ぶ瓦工事。
軒先もスッキリと仕上がりました。
これでひとまず雨が降っても大丈夫。

上屋の解体

下屋と同じように二階の瓦を下ろして野地板、垂木を解きます。
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瓦を下ろすと大きな梁が外からも見えます。
昔の大工さん達は丸太の状態から手作業で梁材の形を作っていったんでしょうね。

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クレーンも無い時代。大勢の大工達が力を合わせて持ち上げ、木を組んでいったのだと思うと、無下には壊せません。出来るだけ活かしてやりたい、と気持ちを新たにします。

今日は稲刈り

昨日と今日の午前中、稲刈りをしました。
米づくりはまだ4年目。
よく言われることですが、自然相手の仕事は大変だけれど楽しい。
私たちの場合、出荷するわけでもないので気が楽です。


稲刈りには大工仲間の栗木斎さんも手伝いにきてくださいました。
せっかくのお休みの日にもかかわらず、毎年来てくださいます。頼もしい助っ人です。

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無事、はぜ掛けが終わりました。
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同じくらいの広さの田んぼがもうひとつあります。そちらの稲刈りも終了。
これでほっと一息つけます。





下屋をつくる

この写真は家のどこを写したものか分かりますか?

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玄関前の屋根部分です。
私の好きな写真の中の一枚です。




以前、設計士の丹呉明恭さんと一緒に仕事をさせていただいたことがあるのですが、建前のときに「家が建っていく様子は、山に木が生え、林になり、森になっていくようだ」と言われたことがあります。

柱が立って桁と組み合わさり、垂木を渡して野地板を張る。作業としてはそういうことなのですが、こうして画像を見ると、その言葉にとても共感します。


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灯をつけての作業。
ちょっと幻想的ですね。

下屋部分の解体

旧下屋部分を瓦、土、杉皮、野地板、垂木の順に解いていきます。
古い柱と梁はこのまま活かし、新たに屋根を作ります。
古瓦は外構工事で使用するためきちんと保管、土は再度練り直して、土壁の補修に使用します。


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その地の材料で、その地で作られ、その地で土に還す。納得しながらの仕事です。

古材にあわせる

増築部分に新しい柱をたて、骨組みを作ります。
そこに古材の桁を乗せていくのですが、柱を一本一本丸太桁の曲線に合わせて加工します。桁の上には、加工した古材の梁をのせかけます。
ひかりつけという根気のいる作業。


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再利用する古材も出来るだけそのままの形で使用します。
約100年前の材料ですが、まだまだ現役です。

古材を利用していく

増築部分の基礎ができました。
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増築部分に新しい柱を立て、梁を渡します。
材料は柱も梁も地元の杉。
工場でプレカットされたものを使うことが多い世の中ですが、
一本一本現物を見て仕入れた木材を製材し、天然乾燥させたものを手作業で加工します。
継ぎ手は込み栓で止めます。金物はできる限り使用しません。

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きれいに洗って取っておいた古材を使う時が来ました。
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丸太材は角材とちがって特に手間がかかります。
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家を下ろす

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これから家を基礎の上に下ろします。



それぞれの場所で寸法を読み上げながら徐々に下ろしていきます。
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基礎にうたれた墨どおりに乗せるため、コロで微調整します。
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位置が定まったら少しずつジャッキを下げます。
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無事、新しい基礎の上に乗りました。
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約100年の間、家を支えてくれていた基礎石です。
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今回の曳き家工事は準備から家を下ろすまで10日間。
念入りな準備、慎重な作業、素人の私がみても緊張の連続でした。
道具は時代とともにかわっていますが、家を動かす技術そのものは昔と変わりません。

家を動かす その2

新しい基礎の上にのせるため、今回は少し回転を加えながら引っ張ります。
動かす方向にあわせてコロを斜めに並べ、慎重に作業を進めます。
少し動かしてはコロの向きを調整し、動かしては調整しの繰り返し。

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そして、増築部ー風呂場の基礎部分をぎりぎりの間隔でかわしていきます。

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最大の山場を越え、あとはラストスパート。けれども、急がずあくまでも慎重な作業です。
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無事に終点に着きました。

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これから基礎の上に家を下ろす作業にうつります。





家を動かす

いよいよ家を動かします。チルホールという手動式ウィンチを使います。
ワイヤーを柱につなぎ、二人で引っ張ります。
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こうやって少しずつ動かしていって、新しくつくった基礎の上まで家を引っ張ります。
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徐々に基礎の上に家が乗っかってきました。
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基礎が他の部分より高く作ってある箇所があります。ここは風呂場になる所ですが、壁のように立ち上がっているコンクリートの部分を、うまくかわして移動させないといけません。
曳き家さんの腕の見せどころです。

下準備 道をつくる

家を動かす方向に角材と板で道をつくります。ものすごい数の角材です。
もちろん、道の高さもそろえないといけません。
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持ち上げた家の下にも道をつくり、その板の上にコロとなる鉄のパイプを置き、また板をのせて柱と柱にかかるようにします。
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そうやって移動先の終点までずーっと道をつくります。
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まるで線路のようです。

下準備 家を持ち上げる

家が広がらないようにワイヤーで固定したら、今度は持ち上げていきます。
柱の下に油圧ジャッキを置き、すべての箇所が水平を保つよう注意しながら少しずつ上げていきます。2つのジャッキを交互に使い、持ち上がった分だけ角材を置きます。
下の写真の三角形になっている材は樫の木です。柱の下に両側から打ち込んで下がらないようにします。

家のあちこちに散らばって作業している職方さん達の数字を読み上げる声が響きます。
見学しているだけの私も緊張します。
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最終的に60センチ程持ち上げました。
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時間と手間のかかる作業です。
持ち上がっていくのが本当に少しずつなので、「気がついたらこんなに持ち上がっていたよ」という感じです。

そして、職方さん達の真剣な表情と無駄のない動き。かっこよかったです。

下準備

古屋を動かすための準備をします。


古屋が崩れてしまわないように、家の中にはつっかえ棒の役割をする材をあてます。
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柱が宙ぶらりんになってしまう所は角材を渡しておきます。
こんな見たこともないような道具でがっちりと止めてありました。
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そして、家が広がらないようにワイヤーでしっかりと固定します。
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動かすまでの下準備がなかなか大変です。
でも、とても大事なことですよね。

古屋解体 その2

解体したのは納屋などの付属建家の部分です。

写真に見える梁などは、ずいぶんと古びていますがまだまだ使えます。これらは一本一本取り外し、この家の増築部分に使用するため、きれいに洗って取っておきます。

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実は、この家は家ごと移動させます。築100年の家は石の上に柱が立っているだけで沈下も進んでいました。
移動させる場所に新しくコンクリートで基礎を作ります。

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新しく作った倉庫のほうへ十数メートルの大移動です。


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古家を解体

古屋を解体していきます。築100年の家ですが、使える柱や梁は残していくので手作業での解体作業になります。
夏の暑い時期で、大きなかけやを振るうとすぐに汗びっしょりに。
土壁を壊すときれいに組まれた木舞が出てきました。

最近は木舞を組んだ家そのものがあまりありませんが、それでもたまに見かけるとだいたいビニール紐でくくってあります。
廃棄処分にする際、きちんと分別しなくてはいけないので、それだけでも大変な作業になります。


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100年前の大工や左官は、すべてが手作業。この家も長い時間をかけて作っていったんだろうなと感慨深くなりました。

そして、土壁も木舞の竹もくくってある縄もすべて土に還る材料です。こういう家を解体するのは気持ちがいいですね。

倉庫を建てる

敷地の端に倉庫を建てました。

施主さんが住みはじめてからも使う倉庫です。

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周りの板には柿渋が塗ってあります。時間が経つと落ち着いたいい色になりました。
扉は古民家に使われていた門の扉を再利用。
板の色とも違和感なく仕上がりました。

築約100年の古民家再生

はじめに

ダンナは大工をしています。
忙しい時などは私も現場にかり出されます。
大工の連れ合いとして感じたことなどを書き留めていこうと思います。



今、手がけている家。

築約100年の古民家です。写真は工事着工前のものです。
現在、竣工間近ですが振り返りながら綴ってみたいと思います。

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外から見ると、かなりくたびれてますが、中に入ると梁や柱の立派なのに驚きました。

Appendix

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