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ナラのテーブル

一人暮らしの方から、テーブルとカウンターの依頼。ナラの椅子が2客あり、それに合わせた形でテーブルを作りました。下部には小物などを入れる引き出し付き。丸太から挽いた板をはぎ合わせて天板は800*1100の大きさ。吸い付き桟を入れてそれに4本脚を絡ませたシンプルな形。大きいテーブルではないけれど、重たい。

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キッチンのリフォーム

二階の寝室、トイレ、廊下、吹き抜けから始まり、階段そしてやっとキッチンの工事。コロナが増えるたびに工事を延期。最初に工事に入らせていただいてから、すでに1年以上が経っている。築35年超のハウスメーカの家のリフォームです。
ガスオーブン付きのガスレンジは古くなってはいるものの、故障もなく現役。この際取替えも検討したけれど、結局続けて使うことに。理由はお客さんがダッチオーブンを愛用していること。2008年よりガスコンロへの安全装置設置が義務付けされ、250度以上になると勝手に弱火になってしまう。この機能はダッチオーブンで料理する者にとっては大変迷惑。安全装置の付いていない業務用のコンロも検討したけれどサイズが合わず断念。
 レンジフードも高機能で高価なものはたくさんある。しかし、シンプルで能力が高くて掃除がしやすいものをということで業務用のステンレスフードをオーダーした。ステンレスの箱に昔ながらの壁出しの換気扇をつけて完成。フードのサイズを大きくしたので既存の吊り戸棚も改修。奥行きを深く、サイズも少し大きくして使いやすいように。
 
残るは外構工事。解決すべき課題も多く、まだ検討段階。

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洗濯物干し

2ヶ月の休業期間を挟んで工事再開した現場です。築36年、大手ハウスメーカー軽量鉄骨造の住宅のリフォーム。木の家にしたいとのご要望ですが、躯体は鉄。下地の材質は木なのか?下地の間隔は尺5寸ピッチ?縦それとも横?木造ならおおよその見当はつくのだけれど。壁や天井、床も壊していろいろと確認したいがそうもいかないので、動きながら考えます。ようやく様子がつかめてきました。

2階に吹き抜けがあり、その上にはロフトがあるけどそこに登る階段はない。折りたたみのハシゴがあって、夏はそれを壁にかけてロフトに登って窓を開けるらしいけれど、踏み外せば下は階段室、1階まで落ちます。「危険すぎます。やめてください」と言いました。 階段上にさらにロフトへの簡易階段を作成。跳ねあげられるようにしてあり、踊り場も可動式です。
すると今度は「吹き抜けに洗濯物を干せるようになりませんか?」とのご相談。ロープと滑車と手動ウインチ、自宅で試作を重ね、可動式の物干しを取り付けました。「ロフトの窓からの風が一階に抜け、洗濯物が心地よくゆれている様に、幸せを感じました。」とありがたいお言葉。 施主さんは仕事の手持ちの駒を増やしてくれます。行き当たりばったり、よく言えば臨機応変の工事が続きます。新築工事にはないプレッシャーと楽しさがあります。

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ゴッホの椅子

K君がかねてより作ってみたいと言っていた「ゴッホの椅子」。スペインに古くから伝わる安物の椅子。時間があるので本を購入して、作ってみる。「細い丸太をざっくりと削った脚、植物の葉で編まれた座面。」専門的な大工道具は不要でいくつかの手道具だけで作れるという。ホゾ穴は丸。ドリルで開ける。そこに四角のホゾを叩き込んで作る。

ヒノキの小丸太があったので、それこそ適当に削って部材を作る。19ミリの径の穴に16*19ミリの断面の四角いホゾを叩き込んで組んでゆくという荒技。全く頭になかった方法。

しかし大玄能で力一杯叩いてもなかなか入らない。そのうち、背板の部分のホゾ穴からボキッと折れてしまった。この組み方は柔らかい生木では有効かもしれないが、乾燥材で作る場合は難がある。そこの早く気づくべきだった。背板が3段あるべきところが、1段になった。座面を編むのはなかなか面白い。材料は藁縄。ほぼ丸一日で完成。細い貫だけの構造だけれど、意外と強度がある。単純な作り方なので、いろいろと応用できそう。

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檜風呂、後日談。

納品して5日目、盆休みの中、「水がどんどん漏る。3時間くらいしかもたない。」と連絡が入った。納品前、水を貯めて一晩おいたが明らかな水位減少は見られなかった。お客さんは車で10分の距離、帰省中の長男坊を連れ、すぐ軽トラで現地に向かう。

「使い初めたら、漏れもそのうち落ち着くだろうと思ってたんだけど、どんどん漏るようになっちゃって」
「ひとつ心当たりがあります。持ち帰って確認します」

排水金具の取り付け不備か?と思いながら、家の庭で水を入れると、すぐに側板と底板の間から水が漏れ出した。よく確認すると底板が錦帯橋のように波打っている。そのため、側板との間に1ミリほどの隙間ができたというのが真相だった。120ミリ幅厚み38ミリ7枚の板を貼り合わせて作った底板が7連の錦帯橋になっていた。檜の底板が、最初の5日間で最大限まで水を含んで膨張し、ボルトで止められた底板はその行き場なく波打ったということ。
木の収縮の力は凄まじく、80センチの幅の板だとその1%=8ミリは収縮すると思わなくてはならない。木の収縮率には異方性があり、柾目で使えば収縮はおよそ半分に抑えられる。濡れたり乾いたりを繰り返す浴槽、木にとっては最も過酷な場所。底板だけでも柾目材を使うべきだった。しかし檜無地の柾目材となると並材の5〜10倍の値段を覚悟しなくてはならない。「できる限り身近にある材料で」ということにこだわるのであれば、何とか解決策を見つけなくてはならない。そもそも柾目材を使っても収縮はゼロにはならない訳で。

以前、近所の船大工さんに、水漏れを止める方法を訊いた。
「杉皮で作った細い紐を隙間に埋める」

檜の角材をカンナで削って薄い削くずを作り、それをこよりにしてカッターナイフの刃の先で隙間に詰め込む。削くずは水を含んで膨張し隙間を埋める。
一晩水を貯めて確認。翌朝、水位はほとんど下がっておらず、再納品。
この失敗を糧としたいと思います。
行く末を見守ります。

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