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5年後
車庫
施主さんと施主さん
杉のつかい方
身近にある杉を多用して家をつくっていると、ややもすると「これでもか」といった感じで見た目うるさくなったりもするので白身赤身、節あり節なし、目粗目積など、木取りによっていろいろと使い分けたりと工夫が必要だなと感じます。杉のキッチンですが、柾目使いで戸板をつくりました。台所は特に汚れやすい場所なので、気にする方は多いのですが、いつもこういっています。「無垢の木なのでもちろんシミができ、傷がつき、変色します。しかしそんなつまらないことなんか気にせず、大らかにつかってください」
生活の足跡の残らない家や家具に魅力はありません。日系家具デザイナーのジョージ=ナカシマの写真集にこんな言葉がありました。「家具は生活と密着していなければならないから、必要以上に高価なものとして扱われるべきではない。必ずできる傷やくぼみは、家具としての味わいを深める。・・・私にとっては、家具が一度も使われたことがないように、その表面が輝いてすべすべしているものほど、魅力のないものはない。」


生活の足跡の残らない家や家具に魅力はありません。日系家具デザイナーのジョージ=ナカシマの写真集にこんな言葉がありました。「家具は生活と密着していなければならないから、必要以上に高価なものとして扱われるべきではない。必ずできる傷やくぼみは、家具としての味わいを深める。・・・私にとっては、家具が一度も使われたことがないように、その表面が輝いてすべすべしているものほど、魅力のないものはない。」

お茶飲み話
現場はいよいよ大詰め。大工だけで黙々と作業を進めていた冬は終わり、春は今、各職方が競うように作業を進めている。違う業種の職人たちが同じ現場に集い、10時と3時の休憩でお茶を飲みながらかわす話は楽しい。たわいもないお茶飲み話だが、話の所々できらりと光る職人たちのことばは聞き逃せない。左官、タイル、建具、電気、水道、ガス等、すべての工事は密接につながっていて、連携を良くとらないと家づくりはまとまらないのだが、実際に皆が顔をそろえることは実は意外と少ないし、まして口数の少ない職人たちの本音を耳にする機会はなかなかない。引き渡しに向けて気持ちは焦るが、こうした一件無駄に見える時間が確実に後々プラスになる。
単価の低い手間請けの現場では自分のことで手一杯で、他の職方のことを考えて仕事をする余裕はないという話を良く聞くが、それでは決していい仕事にはならないだろうし、楽しくもないだろう。仕事がない時期に手間請け仕事をいくつかやったことがあるが、知らず知らずのうちに与えられた仕事を早く済ますことだけを考えている自分に気づき、以来、「仕事はなくてもできるだけ手間請け仕事はしない」というやせ我慢を心に決めた。
現場に建具が入り照明がつくと、がらんどうだった家は息を吹き込まれたかのように生き生きとしてくる。少しずつ住まい手の生活雑貨も運ばれて、これからの生活が徐々に想像できるようになり、大工としても素直に嬉しい。引き渡しまで残りわずか。大工は家で家具づくりです。


単価の低い手間請けの現場では自分のことで手一杯で、他の職方のことを考えて仕事をする余裕はないという話を良く聞くが、それでは決していい仕事にはならないだろうし、楽しくもないだろう。仕事がない時期に手間請け仕事をいくつかやったことがあるが、知らず知らずのうちに与えられた仕事を早く済ますことだけを考えている自分に気づき、以来、「仕事はなくてもできるだけ手間請け仕事はしない」というやせ我慢を心に決めた。
現場に建具が入り照明がつくと、がらんどうだった家は息を吹き込まれたかのように生き生きとしてくる。少しずつ住まい手の生活雑貨も運ばれて、これからの生活が徐々に想像できるようになり、大工としても素直に嬉しい。引き渡しまで残りわずか。大工は家で家具づくりです。

