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5年後

五年前に工事させてもらった古民家の台所、どうしても対面式にしたいというご要望。8畳間にキッチン、食器棚、食卓全てを入れるのはかなり厳しいが、食卓を切り詰めたりして何とか対応。手持ちの食器棚はすててもらって、あらたに作り付けた。幅2m、高さ2.2m、天板は栗、建具、引き出しの化粧板は楠。1年前に初めて楠を使って、それ以来好きになった。

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車庫

古い車庫を壊して新しく拡張した車庫。幅5m奥行4mの車庫。軽自動車2台分。ベタ基礎地中梁で貫構造、屋根はガルバリウム波板。できる限り身近な材料で、単純な素材でつくること。メンテも容易で、将来材料の転用も可能。既存のスレート屋根(4m*4m)は処分費が何と2万円。日本で石綿(アスベスト)含有の製品が全面的に禁止されたのは、まだ近い2004年のこと。石綿含有可能性建材は解体時の時限爆弾。無為の政府のツケを庶民が払うことになる構図はまさに原発と同じ。

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施主さんと施主さん

これから生まれ育った築150年の古民家を再生したいという施主さんと、2年前に築80年の民家を改修させていただいた施主さん。同じ思いを持った人同士、初対面ながら話が弾みます。半年ぶりにお邪魔したのですが、工事中材木を置いたり作業していた場所が美しい庭に変わっていました。ひとがそこに住んで生活を営むことで初めて家に魂が宿るのだと、素直に感動しました。施主さんたちに感謝。

電線が視界に入らないというのは、風景を美しく見せるための大きな要素ですね。

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杉のつかい方

 身近にある杉を多用して家をつくっていると、ややもすると「これでもか」といった感じで見た目うるさくなったりもするので白身赤身、節あり節なし、目粗目積など、木取りによっていろいろと使い分けたりと工夫が必要だなと感じます。杉のキッチンですが、柾目使いで戸板をつくりました。台所は特に汚れやすい場所なので、気にする方は多いのですが、いつもこういっています。「無垢の木なのでもちろんシミができ、傷がつき、変色します。しかしそんなつまらないことなんか気にせず、大らかにつかってください」

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 生活の足跡の残らない家や家具に魅力はありません。日系家具デザイナーのジョージ=ナカシマの写真集にこんな言葉がありました。「家具は生活と密着していなければならないから、必要以上に高価なものとして扱われるべきではない。必ずできる傷やくぼみは、家具としての味わいを深める。・・・私にとっては、家具が一度も使われたことがないように、その表面が輝いてすべすべしているものほど、魅力のないものはない。」


お茶飲み話

 現場はいよいよ大詰め。大工だけで黙々と作業を進めていた冬は終わり、春は今、各職方が競うように作業を進めている。違う業種の職人たちが同じ現場に集い、10時と3時の休憩でお茶を飲みながらかわす話は楽しい。たわいもないお茶飲み話だが、話の所々できらりと光る職人たちのことばは聞き逃せない。左官、タイル、建具、電気、水道、ガス等、すべての工事は密接につながっていて、連携を良くとらないと家づくりはまとまらないのだが、実際に皆が顔をそろえることは実は意外と少ないし、まして口数の少ない職人たちの本音を耳にする機会はなかなかない。引き渡しに向けて気持ちは焦るが、こうした一件無駄に見える時間が確実に後々プラスになる。
 単価の低い手間請けの現場では自分のことで手一杯で、他の職方のことを考えて仕事をする余裕はないという話を良く聞くが、それでは決していい仕事にはならないだろうし、楽しくもないだろう。仕事がない時期に手間請け仕事をいくつかやったことがあるが、知らず知らずのうちに与えられた仕事を早く済ますことだけを考えている自分に気づき、以来、「仕事はなくてもできるだけ手間請け仕事はしない」というやせ我慢を心に決めた。

 現場に建具が入り照明がつくと、がらんどうだった家は息を吹き込まれたかのように生き生きとしてくる。少しずつ住まい手の生活雑貨も運ばれて、これからの生活が徐々に想像できるようになり、大工としても素直に嬉しい。引き渡しまで残りわずか。大工は家で家具づくりです。

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