独立キッチンのうしろに引き出し付きの食器入れ。無垢の木でつくると食器が合板臭くなりません。口につくものなので、器のうつわはやはり木の箱がよろしい。
一般的な材木は長さが4m、したがって通常部屋は2間以下が基本。2間*2間の8畳を横に2つつなげれば16畳、4間*4間として中心に大黒柱を建てれば32畳。空間的には無限に大きくできるが、基本は2間(3.63m)毎に柱が建つ。今回、長尺の松の古材の梁が手に入ったので3間*3間を柱なしでとばしてみた。屋根の荷重を考えて少しむくらせておいたが、今のところ下がりも確認できず、ひと安心。
当初アルミサッシの予定だった南側の掃き出し窓を木製建具にしました。部屋内から、障子4枚ガラス戸4枚、格子網戸4枚。両サイドの戸袋にそれぞれ2枚ずつ引き込んで全面開口できるようにしてあります。格子にすれば、中から外は見えても外から中はほとんど見えません。外に続く8畳大のウッドデッキは今後のお楽しみ。
鋳物の浴槽と十和田石とサワラの板。入口の上の壁は無双窓、使用後に開けて換気します。
長さ3m、幅0.7m〜1.1m、厚5センチの山桜の天板にガスコンロと特注のステンレスシンク、食器洗い機を備え付け、下には棚があるだけです。台所廻りはとかくいろんなものが散乱しがちですが、本当に必要なものというのは意外と少ないもの。ある料理家はある日、鍋三つ残して全部捨ててしまったとか。今のシステムキッチンは最初から何でもついてる、いわば転ばぬ先の杖。最小限必要な機能から初めて、住み手と一緒に、暮らしながら少しずつ手を加えてゆければと思います。