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四方差し

これも同じ集落内からの依頼。「襖が開かなくなった」。田の字の間取りの真ん中の柱、足元が腐って沈下。床も一緒に下がれば建具は動く。床が下がらないように補強工事がしてあったので、柱の沈下と同時に鴨居だけが下がり、襖が開かなくなったという次第。「もうあと何年生きるかわからんけえ」「この歳じゃ、もうローンも組めん」
床下の足固めの場所で柱はへの字に折れ曲がっている。鴨居付近まで蟻害を確認、断面積の半分はスカスカの状態。差鴨居下で柱の切断を決断。

古屋は例外なしに足固めから傷んで、結果、柱を傷めている。地盤面に近い位置での差物(足固め)はリスクが大きい。
石場建て、足固めを前提とした伝統構法にこだわる理由が、私にはわからない。

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石柱

旧家の塀。土壁+瓦屋根の塀が屋敷をぐるりと囲んでいる。門に取り付く正面の塀が崩れ落ち、改修を請け負うことになった。人力で丁寧に解体してゆくと、一辺数十メートルの塀を裏側で支える石柱があらわになった。奥の4本が古く、手前の2本はそれよりも新しい。痛みがひどかったのは手前側。石柱と塀をつなぐボルトが錆で膨張し、石柱を折っていた。奥の4本は継手でつないでいたため損傷なし。施工上便利と思われる材料、工法が時間の試練に耐えられないものをつくる事例には事欠かない。

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おばあさんからのSOS

建物探訪の番組を見ていたら、「500万円の尾州檜のカウンター」というセリフが聞こえた。ミシュラン二つ星の寿司屋でメニューはおまかせのみ、値段は不明。最高の素材を用いて最高の料理を目指す。大工の世界でも、同じような世界があるけれど、どこに軸足を置いて仕事をするのかということは腕の良し悪しとはあまり関係がない。薄汚い大衆食堂が安くて美味しい飯を提供する例は枚挙にいとまがない。

ここのところ、床が抜けそうだから直して欲しいという近所からの仕事依頼が何件も続いている。(どういうわけか同じような仕事は続くことが多い。) 依頼者は全員年金暮らしの高齢者、口に出しては言わないが、できるだけ安く済ませたいという気持ちはひしひしと伝わってくる。費用を安く抑えた工事では必要最小限の工事しかできない。それでも最大限の感謝をいただく。身入りは少なくとも、大工をやってて良かったと思う瞬間に出会うことができる。

同じ部落内に住む87歳の一人暮らしのおばあさんの家。床が落ち、タンスが傾いてベットに倒れこみそうになっていたところ、SOSを受けた。まず別のひと部屋を寝室に改造して移ってもらい、床工事に入る。すべての柱の足元が腐って落ちている。最大15㎝。どこまで直すか?床のレベルをどこに設定するか?柱をジャッキアップするか、するならどこまで揚げるか?限られた予算の中で悩むが、できるだけすべての柱をジャッキアップすることに。仏壇などの動かせない家財道具があるので一部屋ずつ、柱一本づつ。既存の柱に新たにもう一本柱を抱かせてボルトで縫う。滑り止めとして接触面に横から丸込栓を打つ。そして渾身の力でジャッキを回す。

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土葺き

建屋の一部解体に伴い発生した屋根工事。垂木と野地板を新たにこしらえて、古瓦で葺き直す。古瓦は一枚一枚の形状、大きさが微妙に違う。古瓦はなじませるための土がないと葺けないのだと実感する。瀬戸内海沿いの現場、屋根の向こうは海。容赦なく照りつける太陽のもと、何度も飛び込みんでしまいたい衝動に駆られる。

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ジャッキアップ

同じ集落内、うちの2軒上の爺さんから「古いサッシをもらってきたけえ、つけてもらえんじゃろうか。」と話があった。掃き出しの幅8尺高さ5尺9寸2枚建のアルミサッシ。形状から判断すると、20年以上前のサッシだろう。「いいですよ。この日曜日にでもやりますよ。」それにしても、この大きなサッシを、どうやって持って帰ったのだろう。とても庭にある軽トラで持って帰れるサイズじゃない。

障子、雨戸を外すと、敷居、足固めが腐っていたので解体、撤去。床のレベルを確認すると、4隅の柱のうち北西角の1本の柱だけが約9センチ下がっている。床が傾いたままサッシを取り付けるわけにはゆかず、一部床を壊し柱をジャッキアップすることにしました。

頭上で柱に刺さっている差鴨居にジャッキを当てて揚げるのが被害が少ないけれど、その場合、柱との仕口が健全な状態であることが大前提。今回は差鴨居も既にシロアリにやられていて落下寸前の状態なので不可。
柱に角材を抱かせてボルトで固定。そこに直接ジャッキをかけて揚げる。力の方向が真上ではなく少し東に向くのが気になるが、東方向には鴨居敷居などが入っているので柱が傾くこうとはないと判断。少しずつ揚げて行く。ミシミシと音を立てる。ヘルメットをかぶる。鴨居上の小壁の土壁に亀裂が入る。差鴨居と廻縁との間にパッキンの木をかう。平屋なので1つのジャッキで何とか揚がりそう。1か所だけを9センチも揚げることにためらいはあったけれど、無事に揚がった。この後、柱の穴の空いた部分を利用して柱を継いで終了。結局床工事も引き受けることになりました。

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