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腐らないから悪い

 少なくなったとはいっても、今でもたまに、土壁で新築している家を見かけることはある。地元のひとが地元の大工に頼んでつくってもらうような家だ。「おっ」と足(車)を止めて見入るのだが、気になるのは使われる縄。土壁の下地として竹を縄で編んでゆくのだが、大抵は白いビニールひもだ。「腐らないから良い」ということなのかもしれないが、「腐らないから悪い」。築30年の家の改築で土壁を解体したが、案の定ビニールひもだ。時間をかけて一本一本取り除くのだが、昔ながらのワラ縄なら分別の必要はない。
 さらに厄介なのが畳だ。空気を通さないスチレン製の化学床に畳表だけ貼ったものが主流になってしまったが、少なくなったワラ床の畳も、裏には防湿のポリシートが貼られ、またそれを縫う糸は化学糸だ。使い古した畳は畑に野積みしておけばいい堆肥になるといっていたのは既に過去の話。ポリシートとナイロン製の糸は腐らずに残り、草刈り機を使おうものなら瞬時に絡み付いてしまう。これは進歩なのか?
 改築工事は、新築と違ってきらびやかさはなく、むしろ汚れ仕事といっても良いくらいだが、勉強材料の宝庫だ。主流の、建ててしまえばおしまいの昨今の新築仕事がいかにひどいものかを日々教えてくれる。

DSCF0909.jpg

3件のコメント

[C458] アイディアは

短かったがそんな素材を製造していた企業の昔の社員として、新しいアイディアはありませんか?
  • 2010-09-12
  • 投稿者 : tatu_no_ko
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  • 編集

[C459]

スタイロ畳の仕組みを知っている消費者って、限りなく少ないでしょうな。
草を刈っていて、畳の糸が絡まるストレスは、やったものにしかわかりません。
食料と一緒で、腐らないから良いという考えがいつの間にか浸透してます。

[C460]

tatu_no_koさん
石油化学製品を全否定するつもりはありません。ただ、いろんな素材が複雑に絡み合ったものはやはりまずい。分別解体できないものは結局まとめて燃やすしかありません。

八代の大工さん
そうか、食料も一緒ですね。腐らない食料は「死」の意識を鈍感にさせる、ひいては「生」をないがしろにすることにつながるのかもしれない。
  • 2010-09-14
  • 投稿者 : 尼助丸
  • URL
  • 編集

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