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おばあさんからのSOS

建物探訪の番組を見ていたら、「500万円の尾州檜のカウンター」というセリフが聞こえた。ミシュラン二つ星の寿司屋でメニューはおまかせのみ、値段は不明。最高の素材を用いて最高の料理を目指す。大工の世界でも、同じような世界があるけれど、どこに軸足を置いて仕事をするのかということは腕の良し悪しとはあまり関係がない。薄汚い大衆食堂が安くて美味しい飯を提供する例は枚挙にいとまがない。

ここのところ、床が抜けそうだから直して欲しいという近所からの仕事依頼が何件も続いている。(どういうわけか同じような仕事は続くことが多い。) 依頼者は全員年金暮らしの高齢者、口に出しては言わないが、できるだけ安く済ませたいという気持ちはひしひしと伝わってくる。費用を安く抑えた工事では必要最小限の工事しかできない。それでも最大限の感謝をいただく。身入りは少なくとも、大工をやってて良かったと思う瞬間に出会うことができる。

同じ部落内に住む87歳の一人暮らしのおばあさんの家。床が落ち、タンスが傾いてベットに倒れこみそうになっていたところ、SOSを受けた。まず別のひと部屋を寝室に改造して移ってもらい、床工事に入る。すべての柱の足元が腐って落ちている。最大15㎝。どこまで直すか?床のレベルをどこに設定するか?柱をジャッキアップするか、するならどこまで揚げるか?限られた予算の中で悩むが、できるだけすべての柱をジャッキアップすることに。仏壇などの動かせない家財道具があるので一部屋ずつ、柱一本づつ。既存の柱に新たにもう一本柱を抱かせてボルトで縫う。滑り止めとして接触面に横から丸込栓を打つ。そして渾身の力でジャッキを回す。

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杉玉

たまの用事で街に出て花屋の前を通ると、切り花の放つ清冽な香りで学生時代を思い出す。京都市内の花屋でのアルバイト、切り花やアレンジなどをお客に届ける配達要員。30数年前、時代はバブル。周囲の仲間は家庭教師や塾のバイトで時給2000円で稼ぐ中、こちらは時給600円前後。それでも由緒ある旧家、高級料亭、ホテルなど、およそ貧乏学生には縁のない世界を覗くことができる嬉しさは金銭の大小を超えた。その花屋は江戸末期から続く老舗とあって家族経営で賄い飯付きだった。可愛がってもらって居心地良かったのだが、不注意で配達途中に人身事故を起こしてしまってから足が遠のき、そのまま辞めてしまった。店は年末になると杉玉作りに忙しかった。
 家の裏にある杉の木、この時期になると枯葉を屋根に落とし、樋を詰まらせる。思い切って剪定し、杉玉を作った。

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後退戦

K君の住む古屋、同じ敷地に、使われなくなって放置されている牛小屋がある。住み始めて1年が過ぎ、やっと母屋以外のところに手がまわり始めた。かつての牛小屋は5寸勾配のセメント瓦屋根。瓦がずれて軒が落ち、さらに桁、柱も一部腐って折れている。作業場、物置、薪置き場として活用するために重い腰を上げた。瓦を剥ぎ、腐った材を撤去、そして新たに補強。2階は海が見える、皆が集えるゲストハウス兼宴会場にするという条件で材料を提供する。大工仲間4人は皆限界集落に住む。。1980年頃の本宮ひろ志の漫画に「万年雪の見える家」があった。中学三年の主人公は「南へ行くことが全てとは思わないんだ。」と北海道のさらに北の未開拓の原野を目指す。これからの限界集落は逆の意味でのフロンティア。若い者たちが自らの意思でそういう土地に足を踏み入れてゆく。そして、それぞれがそれぞれの場所で後退戦をどう戦うかという課題に取り組む。そこに一縷の希望を感じる。

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秋晴れ、棟上げ、レカロシート

O君の棟上げの手伝いに萩へ。のどかな山村集落。4連休の最中。皆が休みの時に仕事をするのはどういうわけか気持ちがいい。屋根まで仕上げてさあ帰ろうとすると、施主さんから大渋滞との知らせ。抜け道を教えてもらい事なきを得た。長距離の運転も、つい最近調達したレカロシートのおかげで苦にならなかった。腰が重く、毎日の運転が辛くなっていたが、「レカロにしんさい」とアドバイスをくれたTさんに感謝のメールを送る。12万円の出費。半信半疑で重い腰を上げたのだが、その甲斐あって、25歳のトラックも別な車に変身、若返った。中古で購入時、走行距離6万km、現在メーターは42万kmを指している。独立したてで金も仕事もなかった折に購入資金100万円をポンと出してくれたのは義理の父。大工をやめるまでこの車と共に歩みたいと思う。

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ホーランエー食堂(1)

周南市粭島にあるホーランエー食堂。土曜日の昼のみの営業。高齢の島のおばちゃんたちのためにテーブル席を増やしたいとのN店主の要望で、8月下旬に改装工事を請け負った。

N店主との出会いは2009年。古民家再生の見学会で、アンケートに一番多く文字を書き込んでくれた(しかも美しい字で)。その時彼は地元企業で三交代勤務。同じ山口県とはいえ、不案内な土地、しかも島。その時にはこのような付き合いになるとは想像もしていなかった。ジョブホッパーの彼、現在鉄工所勤務。週に1日だけ打つ蕎麦は本当に美味しい。ひょんなことから大工として、友人として、客として付き合い始めて早10年になる。

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